㈱僕らの家(週末自然体験コンサルタント)-中島昭聡さん

㈱僕らの家(週末自然体験コンサルタント)-中島昭聡さん

自然体験を通じて自分らしさを取り戻す大人向けの自然体験で週末起業

仕事の人間関係に馴染めずに、引きこもりになったり、仕事が過酷過ぎて、うつになったり......心の病が蔓延している現代。そうした心の病を抱えているビジネスマンを対象に自然体験を通じて、癒しを提供しているのが、「週末自然体験コンサルタント」の中島昭聡さん。中島さんは、従来、子どもがメインターゲットとして捉えられていた自然体験を大人にターゲットを変えることで売上を伸ばしています。また、自然体験だけでなく、講演会主催、コーチングなども行って業務を多角化しています。それでは、中島さんの起業の経緯から伺ってみることにしましょう。
週末起業家成功事例

  • 中島昭聡さん
  • 週末起業開業:2009年2月
  • 月商:30万円
  • 初期投資:0万円
  • 大人のための自然体験「僕らの家」
  • http://www.bokuranoie.com/
週末起業を始めたきっかけを教えてください。
中学校のときの体験がもとになっています。実は中学生の時、私はいわゆる落ちこぼれでした。成績があまり芳しくなく、担任の先生から高校に行くことができないぞと本気に言われていたのです。一方で、そうした悩みを話せる友達もいない。なんだか誰にも認められていないような気がして、毎日学校へ行っているのが苦痛でした。当時は頑張れといわれても頑張れないし、目標を持てといわれても目標を持つことができなかったのです。

そんな最悪な状況にも助けてくれる人がいました。塾の先生です。先生は「自分自身をあきらめるな」と、夜遅くまで勉強を教えてくれました。おかげで、奇跡的に希望する高校に進学できたのです。私を応援してくれた先生への恩返しの意味も込めて何か活動をしたいと思ったのが週末起業を始めた理由です。

活動は、冒険(自然体験)が中心だと聞きました
何らかの「目標」を達成したときの感覚は、まるで登山をしている時の感覚に似ています。山に登っている最中は、辛かったり、苦しかったりして、「もう止めたい」と思いますが、山頂に着いたとき、見たこともない景色が眼前に広がっていて、とっても気持ちがいい、挑戦してよかったと思うはずです。こうした達成感を得ることで、自分らしさを取り戻すきっかけを見つけてほしいと思っています。ただし、現実の社会では自分の思い通りに達成感を味わうことはできません。

そこで、こうした体験ができないかと探した末に出会ったのが、プロジェクトアドベンチャー( ProjectAdventure)でした。プロジェクトアドベンチャーとは、人間の生命エネルギーは、挑戦することで生まれるという考えに基づき、冒険(自然体験)を通じて、自らの生命エネルギーを取り戻すための教育プログラムです。社会で問題になっている、引きこもりの人やうつ病の人は、自分を信頼するという自尊感情が圧倒的に不足しています。そのような状態から、自分らしさを取り戻すためには、
①「達成感」が得られる成功体験を多く体験すること、
②「自分自身を認める」こと、
③「他者から認めてもらう」ことが必要なのです。

そこで、そういう人たちに対して、冒険(自然体験)を通じて、前述した3つのことを達成しようというのが、プロジェクトアドベンチャーの考え方なのです。冒険(自然体験)のなかでは、仲間と助け合って、ミッションをクリアし、達成感、成功体験を得る機会はたくさんあります。私は大学時代、小学生から大人までを対象にこのプロジェクトアドベンチャーを専門家と一緒に実施してノウハウを学びました。しかし、冒険(自然体験)を手伝っているうちに、本当に冒険が必要なのは、大人なのではないかと思うようになってきたのです。とはいえ、いきなり事業化するのは、リスクが大きい。そこで週末起業で、大人のための冒険(野外活動)を中心としたプロジェクトアドベンチャーを実施しようと考えました。

冒険(自然体験)とは具体的にどういうことをやるのですか?
毎月1回、テーマを決めて、1泊2日で東京や金輪が近郊のキャンプ場でキャンプを行います。ここでは、何かのメニューを次々とこなしていくのではなく、日々の何かに追われる生活を離れて、1泊2日ゆったりと過ごしてもらい、自分を見つめ直してもらう時間をたっぷりと取ることにしています。

もちろん、自分と向き合うときには、ひとりで孤独に向き合うのではなく、他者とのつながりのなかで自分らしさを見出せるように工夫したプログラムを実施しています。たとえば、2010年5月に開催した野外活動は、「週末をとことん楽しむキャンプ~今度は【ご飯】にこだわります~」というものでした。

参加者は、缶けりやかくれんぼで遊ぶワークショップか、スタッフと一緒に、近くの川で魚を獲ったり、山で山菜を獲ったりして、ダッチオープンで調理するワークショップの2つのワークショップから一つを選び参加してもらいます。冒険(自然体験)で達成感を味わって、自然な形で他者とかかわることで、自分らしさを取り戻す機会を提供しています。

どうやって利益を上げるのですか?
自然体験を主催するビジネスモデルなので、すべての参加者の参加費用から人件費やキャンプ場の使用料などの経費を抜いた金額が利益になります。1回の参加人数は、10人から15人の人が参加してくれるので、1回あたり10万円から15万円の売り上げがあります。

現在は、毎月1回の自然体験の主催だけではなく、毎月1回、登山家や起業家などを呼んで講演会も行っています。講演会も1回主催すると10万円から15万円ぐらいの売り上げがあります。

おかげさまで自然体験は、2009年2月28日から述べ100名以上のお客様に参加していただきました。このうち60人以上がリピーターによって占められています。このリピーターの口コミによって、参加人数も増え続けているのです。ですので、リピーターを飽きさせず、魅力的なプログラムを考えるのも集客に影響してくると考えています。

また口コミが中心なので、特に新規に顧客を集めるということはしていません。初めての人でも気軽に参加できるように、ホームページには、野外活動に参加した参加者の感想の声や野外活動の内容を掲載したりしています。メルマガも発行しており、「一歩を踏み出すための今日の一言」と題して、メルマガを書いています。

どんなことが大変ですか?
最も大変なのは、参加者の申し込み管理や入金管理ですね。ホームページから申し込みの連絡をいただいたら、申し込みの確認の連絡をしなければなりませんし、お客様から入金をいただいたら、入金の確認をして、その連絡を行わなければなりません。仕事中はもちろん、そうした申し込みや入金の確認はできませんから、終業後になることもしばしば。幸い、妻が毎日17時には帰宅しているので、妻に対応をお願いするときもあります。

週末起業の時間はどのくらい費やしていますか?
平日は朝4時30分に起きて、7時まで週末起業のブログやメルマガを書いています。9時からは本業の仕事に専念し、23時から深夜2時ぐらいまでは、自然体験の申し込み処理や入金確認の時間に充てています。土日は、借りている畑で農作業をするときもあるので、本業以外の時間はだいたい週末起業に充てているといってもいいかもしれません。

最後に週末起業家にアドバイスをください
週末起業をやってみて感じたのは、とりあえずやってみてから考えようということです。週末起業フォーラムを通じていろいろな人と知り合う機会が増えると、いろいろな人が協力をしてくれます。私の場合は、ホームページの作成を週末起業家に依頼したのですが、更新ができずに戸惑っていると、依頼した週末起業家がやってくれたり、講演会で集客に悩んでいると集客を手伝ってくれたりしてくれることもありました。

悩んでいるぐらいであれば、やってから考えるというのが週末起業の成功のコツかもしれません。