KIQTAS(ビジネス書ポッドキャスター)-早川洋平さん

KIQTAS(ビジネス書ポッドキャスター)-早川洋平さん

ビジネス書評のポッドキャストで月間18万PVを誇る

大好きなポッドキャストとビジネス書、新聞記者経験を活かした週末起業
ビジネスパーソンの自己啓発ツールとして人気が高いビジネス書。雑誌の出版点数が激減するなか、一方では、全国の書店には毎日新刊が300冊以上並ぶと言われています。「数多くのビジネス書籍のなかから、自分に役立つ一冊を選びたい」そんなニーズから自然発生的に生まれてきたのが、ビジネス書評というテーマです。書評と言えば、今までは文字ベースが当たり前でしたが、なんとインターネット上で音声という形で公開する「ポッドキャスト」を活用したビジネス書評を行っている人も多いといいます。音声で学習するというのもビジネスパーソンの人気の高いテーマ。「ビジネス書評」と「音声」という今、人気のあるキーワードをうまく組み合わせて、活躍しているのが週末起業でビジネス書評を行っている、早川洋平さんです。まずは、週末起業を始めたきっかけからお伺いしました。
週末起業家成功事例

  • 早川洋平さん
  • 週末起業開業:2008年8月
  • 初期投資:0円
  • KIQTAS(キクタス)
  • http://kiqtas.jp/
週末起業を始めたきっかけを教えてください
人と会って話を聞くという取材が大好きで、それで起業ができたら幸せだなと思って始めたのがきっかけです。

実は私、前職が地方新聞の記者で取材するのが本当に楽しかったんです。しかし、ある事情で仕事を辞めることになり、現在は企画制作会社でプランナーの仕事をしています。

しかし、やっぱり取材を中心として何か表現をしたいという気持ちは捨てきれませんでした。また、現在の会社は、自分で決めたノルマを達成すべく企画・営業・制作・お金の試算をすべて自分で行う会社なので独立志向が一層強まった気もします。しかし、いきなり起業するにはリスクが高過ぎる。何かいい方法はないのかと考えていたときに、出会った本が藤井孝一先生の『週末起業』でした。

週末起業のネタとして何を選んだのですか?
実は最初に週末起業をやろうと思った時は、起業ネタなんてまったく思いつきもしなかったんです。ただ頭にあったのは、取材をして原稿を書いて、それで何かができればいいなと思っていたくらいですから(笑)。

ただ、ビジネス書は好きだったので、ビジネス書評のコンテンツでサイト『人生を変える一冊』を立ち上げました。しかし、一流書評ブロガーはたくさんいましたから、そういう人と同じことをやっていても勝てないなということは思っていました。そこでたどり着いたのが大好きなポッドキャストで著者にインタビューする『ビジネス書ポッドキャスター』というポジションでした。

ちょうどそのタイミングで実施されたのが週末起業フォーラム主催の大交流会でした。ポッドキャストを知っている人に出会いたいという思いもあり、参加しました。

ポッドキャストって何ですか?
インターネット上で音声や動画ファイルを公開する方法のことです。オーディオ版ブログといったところでしょうか。名前は、アップル社のiPod(アイポッド)と放送(ブロードキャスト)を組み合わせた造語だと言われています。MP3形式で聞くオーディオファイルなので、パソコンなどで聞けるだけではなく、iPodをはじめとした携帯プレイヤーでも聞けるので便利です。ちょうど私はMacを持っていて、編集もできる環境でしたし、何よりiPodとポッドキャストのヘビーユーザーでした。

週末起業フォーラムの交流会で何か成果はありましたか?
非常に大きな成果がありました。大交流会では、藤井先生にお願いして、ポッドキャストに詳しい方はいないかたずねました。

そこで、紹介されたのが経営コンサルタントで、明治大学のMBA講師である竹之内隆さんでした。

竹之内さんは、ポッドキャストの書籍紹介番組である通勤立ち読み『ブックラリー2.0』を立ち上げていて、ポッドキャストのノウハウをたくさんお持ちだったんです。竹之内さんからポッドキャストのことをいろいろ学んで、2008年の10月から自分でもポッドキャストをやってみることにしました。交流会で自分のビジネスが広がるというのは、本当のことなんだなと思いました。

ビジネス書評もポッドキャストも話題です。いいところに目をつけましたね。
本が好き、ポッドキャストが好き、インタビューが好き。これしかありませんでした。8月にブログを立ち上げた時は著者の方とのつながりもなくポッドキャストの知識もゼロでしたが不思議と不安はありませんでした。ただこれがうまくいったのはすべて著者の皆さんのおかげで す。

ポッドキャストの番組は、著者が自分の著書を紹介するという面白い形式を取っていると聞きました。
そうです。著者自身が自分の著書について語るというのは、テキストベースではいっぱいあるのですが、音声ではありませんでした。作りだした本人が作品について語るというのは、やはり説得力があるし、人となりもわかる、それに著書についてまったく違う視点からアプローチもできる。そうした点でオリジナリティが認められました。i Tunes Storeポッドキャストのランキングのビジネス部門で、立ち上げてからわずか2カ月後で1位を取ることができました。現在、1日に6000PV(ページビュー)、1カ月で18万PVの閲覧があるサイトに成長しました。

メルマガコンサルタントの平野友朗さん、『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』の著者である荒濱一さん『出逢いの大学』の千葉智之さんなどかなり著名な方も出演されているんですね。
そうなんです。わらしべ長者ではありませんが、口コミでどんどんネットワークが広がっています。最初は著者を探すのにひと苦労だったんですが、実績が認められた今では、著者の方からオファーが直接来ることも珍しくありません。

週末起業のスケジュールを教えてください。
月曜日から金曜日までは、本業の企画制作会社で働いています。週末起業は平日の5:30から7:30まで、土日で行っています。主な仕事は、著者のインタビュー。2~3件かけもちすることも珍しくはありませんね。著者のインタビューが終わったら、それを家に持ち帰り、編集作業を行っています。1つのインタビューを前編と後編の2つのパートで紹介しているのですが、だいたい1週間に1度更新をしています。

どうやって週末起業の時間を捻出していますか?
なるべく、土日に本業の仕事を持ちこまないように気を付けていますが、仕事が入ることもよくあります。そのために、平日の早朝どれだけ有効に使えるかが重要になってきます。

今後の展開について教えてください
書評サイトと、ポッドキャストの番組自体は、非常に人気のあるコンテンツに成長したのですが、まだ収益が高くありません。一時は、音声コンテンツの有料化も考えましたが、恐らくコンテンツを有料化した途端に、閲覧数も激減するのではないかと考えています。まだ軌道に乗ってから3カ月ぐらいしか経っていないので、有料化は時期尚早だと思っています。しかし、ゆくゆくは儲かるようなビジネスモデルを考えなくてはいけないと考えています。