BizARK(時間管理研究所)-水口和彦さん

BizARK(時間管理研究所)-水口和彦さん

オリジナルの時間管理術を確立!

週末起業家にとって切っても切れない問題が、「限られた時間をどうねん出するか?」。サラリーマン時代に、与えられた時間をいかに効率的に活用するか研究し、オリジナルの時間管理術を確立。時間管理をネタに起業したのが水口和彦さん。ここ最近の時間管理術、手帳ブームに乗って、起業してから2冊の著作も発表している。時間管理をネタに起業するまでの経緯を伺った。
週末起業家成功事例

時間管理研究所なんて、なんだかすごいネーミングの会社ですね。
私が時間管理にこだわったのが、ある手帳との出会いだったんです。その手帳は、多くのビジネス本でも取り上げられていて、手帳コーナーでもひと際目立つ位置に置かれている手帳でした。ところが実際に使ってみると、非常に使いづらいことがわかりました。なかでもスケジュール帳が非常に使いづらく、もっといいスケジューリングの方法があるはずだと考えているうちに「時間管理」にハマってしまったというわけです。

私の時間管理を確立する上で参考になったのは、エンジニアとして工場のラインを見ていた経験です。工場のラインはかんばん方式といって、やるべき仕事がひと目でわかる仕組みになっています。ところが、ホワイトカラーの仕事は今、仕事がどのくらい溜まっているのかわかりにくい。溜まっている仕事がひと目でわかるような時間管理の方法はないかと考えて、少しずつ自分なりに工夫していった結果、現在の方法にたどり着いたのです。

どんな業務内容なのですか?
時間管理術に対する研修や講演、執筆が中心で、オリジナル手帳のリフィル作成も行っています。今後はBto Bを伸ばしていき、ストレスを減らして効率的に仕事ができる職場環境づくりを提案していきたいと考えています。

時間管理で起業するというのは、あまり聞いたことがありません。
昔から何かで起業したいなとは思っていました。私は大手メーカーで、ブレーキパッドの設計や品質管理のエンジニアだったのですが、この業界は今後の大きな成長は期待できませんから、このまま会社にいても将来どうなるかがわからないという漠然とした不安があったのです。

そこで出会ったのが藤井先生の『週末起業』です。著作を読んで非常に興味を持ち、週末起業フォーラムに入会することに決めたのです。

その後、時間管理で起業しようと決めたのは、昔の自分のように困っている人が他にもいるはずだ、と確信していたからです。あまり根拠は無かったんですけどね。

フォーラムに入会してからは、どんな活動を行っていたんですか?
フォーラムに入会してからは、中野てるひこさんのブログのセミナーなどを受講したりしていました。また、時間管理による起業を考え始めたころにブログを2つ作りました。ひとつは、「今よりも少しハッピーになる時間の使い方」。もうひとつは、今の社名にもなっている「時間管理術研究所」です。

その頃には時間管理や手帳のノウハウはあったのですが、文章を書くことには自信がありませんでした。そこで、情報発信と文章の練習を兼ねて、2つのブログを2005年の6月にほぼ同時にスタートさせてみたというわけです。

結果はどうなったのですか?
実は「ハッピーになる時間の使い方」のブログは休止することにしました。最初は自分の思いを書き綴っていたのですが、次第にネタがなくなってしまい、書くのがつらくなってしまったのです。

ところが、もう一方の「時間管理術研究所」のほうは、当初からスケジューリング、時間管理に具体的にテーマを絞って書いていたために、続けることができました。

ブログを続けるうえで、工夫したことは何かありますか?
最初の頃は、自分が開発したノウハウを紹介するよりも、時間管理について書かれた本を紹介することを優先しました。ブログを書くことにまだ慣れていなかったので、その方が書きやすかったんです。時間管理の本は200冊以上読みましたので、その中からピックアップして紹介するのは、それほど難しくありませんでした。おかげでテーマがブレずに、1日に数百人単位でブログを閲覧してくれる人が増えてくれました。また、昨年からメルマガも週刊で発行し始めました。

最初の著作を書くことになったきっかけを教えてください
2004年ぐらいから、ビジネスマンの間に時間管理ブームが徐々に浸透していったんです。私が時間管理術についてブログで書き始めたのが2005年ですが、その年の年末、ちょうど退職のスケジュールが決まった頃に、出版社のほうからオファーがありました。その後、引継ぎと並行して執筆を進めました。それが『超カンタン!時間管理術』(秀和システム刊)です。

書籍のほうは、おかげさまで好評で、2007年7月には、2冊目の著作となる『宝くじを買う人は、仕事ができない~「ダラダラ残業」におさらばする10の力』(インプレス刊)を上梓することになりました。今までの時間管理術系の本よりもわかりやすいと好評を得ています。

水口さんの時間管理術のコツを教えてください
私の時間管理術を実行するのは簡単です。ひとつのシートの中に、時間の決まった仕事と、時間の決まっていない仕事それぞれの枠を作っておき、仕事が発生したら実行日を決めて書き足していきます。「計画」というよりも、「一週間の見取り図」と言った方がしっくりくるかもしれません。これは工場のかんばん方式のように、今、どんな仕事があるのかがひと目でわかるようにするための方法です。

自分の持ち時間を確認し、何をいつやるか決めていく習慣を持つと、時間を効率的に活用することができるようになります。ぜひ時間管理を実行してみてください。

最後に週末起業家に対して一言お願いします。
勉強する時間と情報発信する時間を必ず取って欲しいと考えています。勉強は広い意味での自己投資となります。たとえば、カバンの中に本を1冊入れておき、スキマ時間を利用して読むようにすれば、結構読めるものです。本は多く読めば読むほど、文章を書く能力も上がってきます。もうひとつは、情報発信をする時間です。私が著作を書くきっかけになったのはブログでした。ブログを書き続けるのはなかなか大変ですが、それをやる価値があります。情報は浸透するまでに時間がかかりますし、日々の積み重ねが肝心です。迷っているより始めてみてはいかがでしょうか。週末起業の時間を取る第一の方法は、自分の1週間のスケジュールを書き出してみることです。すると意外に時間があることに気がつきます。そうした時間を活用することを考えるだけでも週末起業の時間は取れると思います。