翻訳Aプラス(翻訳仲介業)-竹内さん

翻訳Aプラス(翻訳仲介業)-竹内さん

人気の翻訳をビジネスに!

今月は、某電気関係の会社で海外営業のお仕事をしながらインターネット翻訳関係のビジネスを営む翻訳Aプラスをご紹介します。

具体的にはどのようなビジネスですか?
インターネット専業の翻訳仲介業です。あえて仲介業と言うのは、請けた仕事を自ら翻訳せず、外注、特に海外に在住するバイリンガルに委託するからです。翻訳には内外価格差があるため、我が社は一般より料金が格安、おそらく日本一の低価格にできます。先日もあるお客さんに「あの品質で、あの価格で大丈夫なんですか?」といわれました。また世界中のネットワークを使うため、主要8言語以上に対応することが可能です。

お客様はどんな方ですか?
個人から企業、週末起業家まで幅広く、内容も海外への手紙、Eメールの翻訳、MBAなどの取得のための入学推薦状、論文、企業からのマニュアル、仕様書等の英訳、IT関連の英訳、和訳など多岐に渡ります。最近は時代を反映してホームページの英訳や和訳も多くなっています。

週末起業を始めたきっかけは何ですか?
何年も前から「週末の余った時間に何かやりたい」と考えたことです。特に子どもも小学生になって手がかからなくなり、自由な時間が出てきました。そんな折りに週末起業の考え方を知り「これだ!」と思いました。

そしてふと海外に在住するバイリンガルに翻訳を委託するビジネスを思いつきます。もともと日本に留学している多くの外国人と親交があり、彼らが帰国した後もお互いに訪問しあったり、クリスマスカードのやり取りをしたりしておつきあいを続けていました。

翻訳の仕事はどのように見つけてくるのですか?
基本的にはホームページ経由です。もちろん検索エンジンだけでは、なかなか見てもらえません。そこで楽天ビジネスなどの、いわゆるマッチングサイトを利用しています。出店は有料ですが、それらからの問い合わせ・受注が大半を占めます。

他にご紹介や口コミ、週末起業の仲間からの引き合いも増えています。需要がありそうな企業には電話やDMを送ることもありますが、時間が限られていることもあり手ごたえは得られていません。

肝心のホームページは、自分で作られたのですか?
いえ他の週末起業家に製作を依頼しました。最初、自分で立ち上げようとホームページビルダーを買ってトライしましたが、どうも納得できず困りました。

そこで週末起業でホームページの作成をしているノーブル・ウェッブの松原さんにお願いしました。すっきりしたものが、短時間で出来、価格も安く「さすが餅は餅屋」と思いました。

年商はどれくらいですか?
一年目は300万円ほど、粗利は100万円でした。きちんと確定申告もしました。

2年目の今年はお客様も増え去年の2倍ぐらいを見込んでいます。当面の目標は、年商800万円、粗利で年360万円くらいを目指しています。来年中くらいには実現したいと考えています。

成功の秘訣はきめ細かなサービスにもありそうですね。
その通りです。インターネットで翻訳の仕事を請けることは、目に見えない人に目に見えないものを売ることになります。そのため"安心感"や"信頼感"をもっていただかないことには始まりません。ですからお問い合わせに対するメールの文章には誠意の気持ちを込めて書いています。お客様の立場になって書けば、それなりに伝わると信じています。

週末起業家としての苦労にはどんなものがありますか?
本業との兼ね合いが悩みの種です。やはり会社に対する後ろめたい気持ちがあります。仕事中にやってはいないのですが、何か裏切っているような、100%本業に集中していないという気持ちを持ちます。時々仕事中に週末を考える自分がいることも否定できません。

年齢的に企業において中心的役割を果たす働き盛りですから、本業にも愛着はあります。ただ始めてしまった以上、両方にベストを尽くし、欲張りにいこうと思っています。

週末起業を目指す皆さんにメッセージをお願いします。
No risk, no return.と言いますが、週末起業は"No risk, small return"、うまくいけば"Big return"も期待できます。余裕をもって起業の準備ができるのですから、当面Small returnでも満足できるのではないでしょうか。

週末起業を「親に庇護された子供のようだ」と評した起業家がいましたが、リスクを冒さず成功できるならそれに越したことはありません。ビジネスがうまくいくかどうかは、やってみないとわかりません。ある程度勝算があるなら、行動する以外の選択肢はありません。まして週末起業ならRiskは限りなくゼロです。始めれば、また新しいアイデアも浮かんできます。問題や新しい発見に出会うからです。忙しくなりますが、それを楽しむ気持ちさえあれば、週末起業は人生の枠を広げるすばらしい体験であることがわかると思います。

藤井のコメント
翻訳は、副業の人気業種ですが、他に本業のある人が、自ら翻訳までやっていたのでは時間はいくらあっても足りません。その証拠にこの手の仕事をしている人の中には、仕事が立て込んでいるという理由で泣く泣く仕事を断る経験が一度や二度はあるはずです。受注するかどうかは、絶えず自分の余力と相談になってしまうのです。こうなるとビジネスを成長させるどころではありません。

一方自ら手がけるのでなく、仲介に徹すれば自分のスケジュールを気にせず、いくらでも仕事を受けることができます。だからビジネスをどこまでも大きく発展させることができるのです。このように発展の可能性があることが副業と週末起業の最大の違いです。それを実践した翻訳Aプラスさんは素晴らしいと思います。