ダイエットコーチ-小林一行さん

ダイエットコーチ-小林一行さん

「ダイエットコーチ」半年で14kg減の経験をもとに起業!

厚生労働省が2008年4月から実施している特定健診によって、近年、注目度が上がりつつあるメタボリック症候群。これをビジネスチャンスと見て、さまざまなサービスが提供されているのは、よく知られています。ダイエットのコーチングで起業された小林一行さんです。半年間で14kg減という驚異のダイエットを成功させた経験をもとに、ダイエットに悩む人たちに向けてコーチングを行っています。

週末起業を始めたきっかけを教えてください。
会社の健康診断でメタボリックだと診断されたのがきっかけです。なぜ、メタボリックと診断されたのかというと、ストレスが原因です。

ちょうどその頃、会社の仕事や家庭でのストレスを抱えていて、毎日ふさぎこんでいました。次第に「うつ病」の症状が表れてきました。当時は人づきあいも苦手で、飲みに行ってストレスを発散させることもできなかったのです。そのストレスを解消するために私は、過食に走ってしまいました。

毎日、夜中の3時に空腹で目が覚めます。そして、甘いものが無性に食べたくなります。コンビニエンスストアに行って、袋詰めのチョコレートを買ってきて、それを1袋丸ごと食べてしまう。そういう毎日を繰り返してきました。そうして2008年の9月に健康診断でメタボリックの診断が下されてしまったのです。

それが相当ショックで、痩せるためにダイエットをスタートしたのがきっかけです。

いきなりダイエットをしたわけではない、とお伺いしました。最初にどんな行動をスタートされたんですか?
最初は本を読むことから始めました。痩せるといっても、太った根本的な原因はストレスにあるので、まず「うつ病」を治療法などの本を読みました。

しかし、それを読んでも元気になりませんでした。というのも、ストレスの原因が「お金」にあったからなのです。私の趣味は、ラジコン飛行機です。ラジコン飛行機をつくるのも好きだし、飛ばすのも好きなんです。しかし、サラリーマンの限られた収入では、ラジコン飛行機を購入するお金も限られてくる。住んでいるマンションは狭いので置く場所もない。それに会社に縛られていたら飛行機を飛ばす時間もない。そういうことを考えているうちに、自分と自分の境遇を否定するようになってまった。それが根本の原因にあったのです。

「お金から自由になれる方法を探す」ということで、今度は、ビジネス本を読むようになりました。そのときに手に取ったのが本田健さんの『ユダヤ人大富豪の法則』や斎藤一人さんの本でした。本を読んで自分もふさぎこんでいないで頑張ってみようと、次第に前向きに思うようになっていったのです。

今までは仕事や家庭のせいでこんな状況になった、と誰かのせいにしていた思考のクセがあったのですが、物の見方を変えて、仕事があること、家庭があることを感謝するようになっていったのです。そして、ふさぎこんでいるよりも、楽しいことをやったほうがいいと思えるようになり、過食で食べられるのであれば、食べられることに感謝しようと思いました。

半年間で14kg減のダイエットと聞きました。どんなダイエット方法なんですか?
実は難しいことは何にもしていません。厳しい修行のように我慢したり、つらい思いをしたりしてダイエットは続かないと思ったからです。

もちろん、そこに行きつくまでには紆余曲折がありました。

まずはとにかく、ありとあらゆる方法を試しました。「りんごダイエット」「朝バナナダイエット」「炎天下ジョギング」「寒天ダイエット」「通勤サイクリングダイエット」「レコーディングダイエット」など数え上げればきりがありません。会社が東京駅にあるので、皇居の周りを歩いたりもしました。

しかし、すべてのダイエット法に失敗してしまったのです。なぜ失敗したのかといえば、楽しくなかったからです。楽しくないから続けられなかったし、頑張って数カ月続けても、目標の体重を達成したら止めてしまう。だから失敗するのだということがわかりました。そして、ダイエットに失敗した自分を責めていたら、うつで過食になっていた自分に逆戻りしてしまう。ストレスが太った原因なのですから、まずストレスを減らすためのダイエットを考えたのです。

どんな方法ですか?
たとえばウォーキングでも、修行みたいにやるからつらくなってしまうのです。しかし、趣味と運動を組み合わせて行うことができれば、運動そのものも楽しめるようになる。そう思うようにしました。私はラジコン飛行機が大好きなので、その部品を探すというテーマを決めて秋葉原を歩きます。部品を購入しなくても見ているだけで、楽しいし、知らず知らずのうちにカロリーが消費されている。これならば自分でも続けられると思いました。

普段の食事についても、以前は過食してしまう自分の行為そのものにストレスを感じて、さらに食べてしまうという悪循環に陥っていました。しかし、それを止めて、食べられる自分に感謝しようと思うことにしたのです。その代わり、食事を一生懸命、味わって食べようと咀嚼の回数を増やしたのです。すると満腹中枢が刺激され、みるみるうちに食べる量が減っていったのです。飲み会なども以前は、太る原因になると敬遠していたのですが、ストレスの解消になると思って今では積極的に参加しています。

このように「減量」に気持ちを集中させるのではなく、「ストレスを減らす」ことに集中することで、ストレスも体重も減って、半年間で14kg減に成功しました。

具体的に、週末起業の活動をスタートしたのは、いつですか?
2009年4月ぐらいです。その頃、藤井孝一さんの『週末起業』を読んでいて、このようなお金を稼ぐ方法もあるんだなと思いました。最初はパソコンの悩みを解決するヘルプビジネスで起業しましたが、うまくいきませんでした。

そこで、自分がダイエットに成功したのでダイエットのネタで週末起業をやってみようと思いました。とはいえ、経験だけで他人に指導するのは、問題があると思ったので、メンタルセラピストの資格を取ったり、日本ダイエット健康協会が行っているダイエット検定のインストラクター取得したりして、自分の理論を体系化しました。

そして、同じ週末起業家の集まりで協同起業を支援する会員制のサークルOICHIに参加して週末起業で成功する方法を勉強しました。たまたま週末起業家大賞を受賞した綾部貴淑さんの講演を聞くことができ、綾部さんの成功方法を自分のダイエットに当てはめて、メルマガを発行し、自分の理論をPDF化したりして情報商材をつくりました。それが2009年9月ぐらいです。

メルマガでは、なかなか読者が伸びずに苦労されたとか。
はい。自分が発行したダイエットのメルマガは読者数が150人ぐらいで行き詰ってしまいました。そこで始めたのが2010年1月にスタートしたアメーバ―ブログ(アメブロ)です。ブログの内容は、当時、3kg太ってしまったので、その減量日記です。どんな食べ物を食べたのか、どんな運動をしたのかなどを書いていきました。アメブロは、数あるフリーブログのなかでも繋がりを増やすことができる機能が充実しており、自分のファンづくりには、とても便利なのです。

私がまず行ったことは、自分をブログを読んでもらうために、とにかく読者登録を増やしたということです。具体的には、他人のブログの読者になることや、毎日定期的にブログを書き続けるということです。

ブログは書くネタがない、なんていいますが、そんなことはありません。毎日書くんだと覚悟を決めれば、ダイエットのネタであれば、何でも出てきます。たとえば、電車が遅れていたら「電車遅延とダイエット」というお題で書ける。乗り換えがあるので、階段の上り下りが出きてカロリーが燃焼できる機会が増えたと思う。普通なら電車が遅れたらイライラするけど何でもブログのネタだと思えば、毎日が楽しいですよね。

そうやって読者を増やして今では、494人(2010年12月23日現在)まで読者登録が増え、1日1000アクセスまでになりました。

今後の予定について教えてください
ダイエットコーチの仕事が軌道に乗ったら、次はダイエットコーチ育成のビジネスを展開したいと思っています。そして最終的に独立をして、趣味のラジコンにお金と時間を注げられるようになれば、本望ですね(笑)。

「コロンブス」2010年1月号掲載記事

週末起業家成功事例