㈱Kazami-Japan(家事コンサルタント)-神長一徳さん

㈱Kazami-Japan(家事コンサルタント)-神長一徳さん

日本で唯一の男性の家事コンサルタントとして成功!

日本で唯一の男性家事コンサルタントとして週末起業をはじめた神長一徳さん。起業当初は、そうしたビジネスが成立するのかどうかすらわからなかったといいます。しかし、整理整頓に悩む主婦、一人暮らしの女性を中心に顧客が増加。2006年のお掃除ブームによって大ブレイク。週末起業の継続の重要性を伺いました。
週末起業家成功事例

家事コンサルタントをはじめたきっかけは何ですか?
週末起業フォーラムに入会して、自分のできることの棚卸をしていました。ちょうどその頃、会社で整理整頓の活動、5S運動(整理、整頓、清掃、清潔、躾の頭文字Sを取ったもの)をやっていました。5S運動は業務効率化の一環で行っていました。

もうひとつは、うちは夫婦共働きで家事が分業制になっているんです。土日は料理とか掃除洗濯をやっていて普通の男の人よりは、知っているかなと思ったんですよ。だから、片付けと家事料理、そして掃除に関するコンサルタントになろうと思ったのが家事コンサルタントとして週末起業をはじめたきっかけですね。

週末起業は趣味で起業するというのが、ひとつのコンセプトでもあるのですが、神長さんは家事が趣味なんですか?
残念ながら趣味というわけではないんですよね。本当に楽しくてやっているわけではありません。自分にできることは何かというところで探していった結果、家事コンサルタントに行きついたという感じです。

最初はどういう活動を行ったんですか?
最初は家事の悩みのメール相談を無料で行っていました。家事に関することをメルマガで書いていたんですね。そのメルマガを読んだ読者向けにメールで無料相談を行っていました。最初はほとんど収入にならずいろんな人の家事の悩みに答えていましたね。

どんな悩みがあるんですか?
「片付けができないんですけれど、どうすればいいですか?」という悩みが8割です。相談を依頼する人のほとんどが女性です。年齢層は30~60歳ぐらいが中心層で、たまに20歳代の人もメールで相談に訪れていました。

主な顧客層は主婦の方と一人暮らしの方。主婦の方はやはりキッチン周りの整理整頓の悩みが非常に多かったですね。いろんなキッチン器具を購入するですけれど、物が多すぎて、しまう場所に困るというもの。一人暮らしの方は、都内に住んでいる人が中心で、ワンルームに住んでいる人が多いんですよ。でも部屋が狭いから物を置く場所がない。

そうしたニーズから「整理整頓の技術」が必要になってくる。一日に多い時では50通以上のメール相談がありましたね。皆、真剣ですから部屋や棚の写真を撮影して送ってきたりしていました。そうしたメール相談の依頼がたくさんきて2006年1月には1000名を突破しました。

そのデータを元に情報起業を?
そうです。整理整頓の悩みと対処法をまとめたメール相談の集大成をCDにしたんです。一番最初に作ったCDのタイトルは『10分で片付け名人になる方法』(3980円)。最初はちょっと高いかなと思って、半額ぐらいにしたんです。そうしたらかなり評判がよくて、毎月コンスタントに100~150本は売れるようになりました。

これを機会に無料のメール相談もあまりに数が多く、対処ができなくなってきたので、文章だけで回答するお試しメール相談と、文章と写真で解説する2000円の通常相談に分けることにしました。

週末起業の時間配分はどんな感じだったんですか?
18時に帰宅して、それから21時まで家事。そこからが自分の週末起業の時間です。やっていたことといえば、メルマガを毎週3本書いて、その間に無料のメール相談を行っていました。夜の21時から翌朝の2時まで5時間ぐらいは週末起業に費やしていたと思っています。

逆に土日は家族との時間を重要視していたので、2~3時間ぐらいしか行いませんでした。そうしたスケジュール配分も週末起業を長く続けられた秘訣です。

2006年は掃除ブームで一躍時の人に?
そうですね。掃除本がたくさん出版されてそのブームに乗った形になり、2006年の後半はテレビやラジオにも依頼が殺到しました。情報起業だけではなくて、地方自治体によるセミナーでの講演依頼、キッチンショールームでの掃除の実演イベントなどリアルなビジネスが非常に多くなりました。

2006年6月には株式会社Kazami-Japanを設立。ビジネスを法人化しました。収入のほうも多い時には月商50万円を上回ることもありました。最初、週末起業としては本当に儲かるのかという声も聞かれていただけに非常にうれしかったですね。その影響かどうかわからないのですが、2007年1月の週末起業家大賞では敢闘賞をいただくことができました。

今後の展開は?
家事コンサルタントのポータルサイトを作りたいですね。最近、要望をいただくのが今日の献立やレシピの問い合わせ。私だけではネタが尽きてしまうので、管理栄養士の方とのコラボレートができればいいなと考えています。

もうひとつは将来の夢になるのですが、家事コンサルタントを民間資格にしていきたいなと考えております。クライアントのなかには、高齢者の一人暮らしの方も多く、今後、少子高齢化社会に向けてますます一人暮らしの高齢者の方の要望も増えていくかもしれません。そのようなニーズに対応できるように資格化を検討しています。

最後に週末起業家にひとこと
自分でもこんなに注目されるとは思っていなかったのでびっくりしています。いつか陽の目を見ようと数年間コツコツとメルマガを書いていたのが身を結んだのだなと考えています。継続は力なりでコツコツと頑張りましょう!

取材・文/宇治川裕