週末起業コラム

ゼミナール体験記~売れるネタ差し上げます

売れるネタ差し上げます

ネットショップなどの物販で週末起業を始めたい方は多いと思います。でも売れるかどうか不安で踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本日の週末起業ゼミナールは杉山貴思(すぎやまたかし)さん。売れるネットショップのコンサルタント業をメインに、ライター業、セミナー講師などを務めているビジネスプロデューサーです。「今日のお話を通じて、売れるネタのヒントをつかんで欲しい」と語る杉山さんのセミナーは、時折ワークを交えて受講者にも発表してもらう形式で進められました。

オークションから始めるネット通販運営

ネット通販の運営は、オークションから始めるのがおすすめです。オークションのメリットは大きく分けて3つ。①不要なものをお金に換金できる。②お客様から受注をいただいて、商品を発送し、入金を確認する一連の物販の基本が身につく。③お客様の気持ちを理解して、好評価を得るためにどうすればいいのか、考えるきっかけになる。これら3つの経験が無料でできるのは、大きなメリットです。オークションで売れているものは、ランキングを見れば把握できます。定番は時計やブランド製品。ただし、そういったものは目利きが必要で初心者には向いてないかもしれません。取扱商品は、自分で探した方が利益も確保しやすいもの。他人から卸してもらうのはとても楽なのですが、卸価格から利益を残すのはなかなか難しいものです。

何はともあれ、ネットショップの基本は、注文から発送、入金確認の流れをつくること。「スモールスタート・アーリースタート(小さく始めて、すぐに始める)」がよいのです。

市場を絞り、顧客を絞る

ネットショップで売上を上げるには、2つの戦略があります。ひとつは市場を絞ること。もうひとつは、商品を絞ることです。多くの人が参入している市場(マーケット)で売らなければ、そもそも目に触れる機会もありません。目に触れなければ売上も上がらない。だから市場を絞ることが重要です。たとえば、モバイルマーケット。以前はモバイル機器でネットショッピングをする人はいるはずがないという固定観念がありましたが、主婦層や若い女性を中心に最近ではパソコンよりも市場が伸びています。最初は楽天市場に出して、売上が上がって来たら、他のネットショップモールに出品するといいと思います。まずは最も大きなマーケットを狙うことが大切です。

もう1つ重要な要素は商品を絞ること。以前、私は楽天市場で巨峰を扱っていたことがあります。それも、ただの巨峰ではなくて、種あり巨峰です。種ありというと、売れないような気がしますがそんなことはありません。実は種なし巨峰は食べやすいのですが、種あり巨峰に比べると、味が薄く感じることがある。種ありの巨峰の味に慣れ親しんだ人たちは、種あり巨峰の方に魅力を感じるのです。スーパーなどでは、そうした一部のコアファンに焦点を合わせた品揃えはなかなか難しいのですが、ネットショップでは、そうしたコアなファン向けに品揃えをすることができます。いわゆるロングテール戦略を活用することができるのです。逆張りの具体的なやり方は、「母体の大きさはGoogleなどの検索数でチェックし、店舗などをリサーチしてニッチを探す」とのことです。ネット通販では、初心者はニッチの方が勝ちやすいそうです。

選ばれるネットショップになる

選ばれるネットショップになるためには、お客様から選ばれる必要があります。そのために、お金をかけずに、行わなければいけないことがいくつかあります。

まず、「ギフト対応」を可能にしておくことです。商品を包装するのは面倒ですが、他のショップがあまり対応していないうちに、対応可能にしておくと、お客様から選ばれる可能性が高くなります。もうひとつは、「セット品」で売るということです。セット品にすれば、商品に付加価値をつけることができて、お客様は値段以上のものを得たというお得感を感じることができます。また、単純に商品価格の比較もできないので、贈答品としても喜ばれます。最後は、「おもてなし」です。メッセージカードを付ける、景品を付ける、豆知識や食べ物の食べ方など使い方のメモを添える、といった対応です。また、個別に対応する柔軟性も必要です。たとえば、お客様の要望に合わせてサイズや数に対応するといった心がけが必要です。このような対応は、普段から職場に浸透させておくことが必要です。「いいネットショップは、いい職場から」が杉山さんの持論だそうです。

そして、ネットで商売をしたいということであれば、「何の専門家なのか」を明確にお客様に伝えることが必要だと杉山さんは語ります。専門性を極めることで、お客様から選ばれることにもなります。たとえば、ラーメンを食べたいと思ったときに、食堂とラーメン専門店、どちらを選ぶでしょうか? 多くの人はラーメン専門店を選ぶでしょう。そこにいけば、一定レベルのラーメンを食せると考えているからです。これはネットショップにも同じことがいえます。たとえば、3000種類の照明器具を扱ってきた、照明器具の専門家のネットショップと、普通の電気屋さんのネットショップ、どちらで買い物をしたいと思いますか? もちろん前者ですね。このように、強みを出していくことが重要です。

自分一人でやらない。仕組みをつくる

売上が安定すれば、ネットショップで起業を考える人も多いと思います。ところが一方で起業には不安がつきもの。独立には家族を養っていけるか、自分が倒れたらどうするか、集客できるか、今の自分で知識は十分なのかなど、さまざまな不安が出てきます。そうした問題を解決するには、自分一人だけで考えず、他人の力を借り、仕組みづくりに注力すべきです。

たとえば、ネットショップで仕入をすると倉庫が必要になります。そうなると、倉庫になるスペースを持っている人も仲間となります。また倉庫となるスペースを自分が持っていれば、月額いくらで貸すのも商売のネタになります。自分の価値観と合う人とビジネスを行うのが基本になります。

まずは、オークションからスタートをしてみて、実際にビジネスをしながら、商品探しやビジネスパートナーの構築などを行っていくのがよいと思います。試行錯誤をしながら、ネットショップを少しずつ成功に導いていくことが大切、とのことでした。