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ねぎらいの書らぴすと(書を使ったセラピー)-吉野リョータさん

ねぎらいの書らぴすと(書を使ったセラピー)-吉野リョータさん

自分ブランドを確立し、週末起業する

ネットオークション、アフィリエイトなど既存のシステムを活用して、週末起業を目指す週末起業家は非常に多く存在しています。しかし、その一方で自分にしかできないオリジナリティを追求して起業したいと考える週末起業家も少なくありません。今回ご紹介する吉野リョータさんは、自分ブランドを確立し、「書を使ったセラピー」という独自分野を切り開きました。どのように起業し、事業を展開しているのかさっそく聞いてみることにしましょう。
週末起業家成功事例

  • 吉野リョータさん
  • 週末起業開業:2008年11月
  • 初期投資:0円
  • ねぎらいの書らぴすと
  • http://negirai.net/
週末起業を始めたきっかけを教えてください。
私がこのような活動を行うようになったきっかけは、心理学との出会いからでした。本業で新しいプロジェクトを任され、頑張って結果を出そうとがむしゃらに仕事に取り組んでいるのに結果が出ない。仕事の進め方だけでなく、人間関係の問題とも直面するようになりました。

そのような中、自己を見つめ直すつもりで複数の勉強会に参加。次第にセミナーや心理学講座などで学んだことや考え方をブログで表現し始めたことがきっかけです。

現在、どのような活動をされていますか?
2008年11月よりアメーバブログ(以下、アメブロ)にてブログ「ねぎらいの書」(http://ameblo.jp/negirai/)の配信をスタートさせました。

この活動のテーマが「結果ばかりを追い求め、頑張っている自分を認められずにいた、3年前の自分へのメッセージ」。つまり、周りからも否定されたと感じ、自分でも自分自身を否定していた頃の苦しかった自分にかけてやりたい言葉を綴っています。

現在は「書を使ったセラピー」という独自的な手法を用いるセラピストとして、本業の合間や休日を利用し、書を使った問題解決型セラピー、講演活動を主として活動しています。また2010年5月にブログの内容が書籍化され、『ハッピーにエンドなんて必要ないで』(グラフ社)を出版いたしました。

出版に至った経緯を教えてください
出版社からのオファーです。自身で出版社に原稿を持ち込んだり、出版パーティなどに出席して編集者と名刺交換をしたりして、出版の機会をつくったのではありません。非常に光栄なカタチで出版させていただくことができました。もちろん、出版に際して何の努力もしなかったというわけではなく、「自分はこういうスタイルで本を出して、こういう方に読んでもらうんだ」という目標設定(アウトカム)はきちんと持っていました。そして、それを日々ブログを書くときの方針としました。そういう努力が、出版という形で実を結んだのだと思います。

吉野さんは現在、セラピストとして収入を得ていますが、その活動はどのようにスタートしましたか?
ブログからのメッセージで「ぜひあなたに私の話を聞いて欲しい」「一度ぜひお会いしたい」という要望を多数いただくようになりました。最初は自分もお会いしてみたいという気持ちでお会いさせていただいていたのですが、その時に「この書を自分だけにオリジナルの言葉で書いて欲しい」という要望をいただき、最初はその書を希望さる方に販売していました。すると、お譲りした方が非常に喜んでくださり、ご自身のブログなどで記事に書いてくださり、また広まるという循環が起こるようになってきました。

そのうちに、お会いしたときにお話を聞いている中で、その方の背中を押す言葉を書にし、「書を使ったセラピー」を行うようになりました。そして、ブログ内で「書らぴすと」として活動を開始したことを書くと、「自分も受けたい」とお申込みをいただくようになったのです。

そして、私の休日である週末は、こういったセラピーの活動にあてられるようになりました。

このように、文章だけでも人の心を捉えることができたら、自分から強く働きかけることなく、相手から「~して欲しい」と要望されるようになるのだということを体験しました。私の場合、文章だけでなくたまたま少し人より得意な書道を組み合わせたことで、他にはないブランディングが確立したのだと思います。

先にサービスや商品があり、売上を上げるためのツールとして捉えたブログはたくさんありますが、このように読者さんから要望を受けてサービスが生まれていき、それに伴って収入も発生していくという、大変恵まれた状態になっています。

会社に週末起業がばれてしまい、それが原因で転職されたとお聞きしましたが......。
はい。実は一度、このような活動が会社の規定に抵触し、問題になったことがあります。

自分自身が就業規則をチェックし、役員にも確認を取りながら副業をしてきたつもりでしたが、遠まわしに書かれていた一文を見落としていたことが他の役員の目に止まり、叱責を受けることとなってしまいました。

本名では活動していなかったものの、出版を機に顔写真を公開し、オフィシャルサイトをオープンし、これから本格的に活動をスタートさせていこうとしていた矢先のことでした。話し合っても、話し合っても折り合いがつかず、今後一切の活動を禁止することを言われました。キレイごとに聞こえるかもしれませんが、私自身、週末起業の収入うんぬんよりも「ねぎらいの心で多くの方を笑顔にすることができる」という信念があります。

そこで会社に無収入のボランティア活動でも構わないから、個人の趣味の活動として許可して欲しいと申し出ました。しかし、会社の枠をはみ出て外部で活動することを快く思わない一部の役員から「会社を辞めて勝手に夢を追うか、個人的活動を一切止めて社業に専念するか」と二者択一を迫られ、どちらかを決断せざるを得なくなり、最終的には前職を去ることとなりました。自分の人生において、やっと見つけた大切と思えるものを諦めたくなかったのです。その後、敢えて独立の道は選ばずに、副業や自己表現を寛大な心で認めてくれる会社に再就職し、新たなスタートを切っています。

そのとき起業する、という選択をなぜしなかったのでしょうか?
私は今後も、会社勤めをしながらの活動を行っていきます。周りからは「なぜ独立起業しないのか?」と言われることが多いのですが、私は独立起業という形だけがすべてではないと思っていますし、それは人それぞれで良い、と思っています。

私は、今「小椋佳モデル」なるものを実践したい、と思っています。銀行員を長年勤めながら、音楽活動をされたシンガーソングライター、作詞家、作曲家の小椋氏をモデルとして、自分の得意分野をさらに伸ばす活動を続けていきたいというのが私の考え方です。

最終的には独立起業、という道を選ぶ可能性はもちろんありますが、新しい職場の仲間たちも素晴らしい人ばかりですし、そういう空間に身をおける自分も嫌いではありませんし、本業から得られる知識と経験は、また副業にも大きく活かされていくと感じています。

最後に週末起業を目指す方たちにアドバイスをください。
独立するにしても、週末起業として会社員を続けるにしても、人とのつながりや仲間の応援は不可欠だと痛感しています。仲間同士の支えあいや助け合い、予期せぬ紹介などが、自分の事業成長のきっかけになりますし、場合によっては本業を大きく成長させるきっかけになることだって少なくはありません。

仲間との出会いが今の私の根幹を作り、支えています。もし、これから何かを始めたいと思う人がいたら、まずは何かの勉強会や講演会などに参加してみることをお勧めします。同じ思いを持った仲間たちと出会うことで、あなたの夢が一気に加速することもあるはず。

ひょっとしたらそんな道の途中で、私とも出会う日がくるかも知れません。そんな日が訪れることを、心から楽しみにしています。