おやじピアニスト-菊池展宏さん

おやじピアニスト-菊池展宏さん

週末起業を通じてジャズピアノの魅力を伝えたい

プロのミュージシャンではなく、音楽をネタに起業するというスタイルを日々模索しているのが「サラリーマンおやじピアニスト」の菊池展宏さん。菊池さんといえば毎年、週末起業家大賞でピアノの演奏でお馴染です。現在は結婚式などの演奏を週末起業として行っていますが、いずれは一国一城の主となり、自分でジャズ演奏ができる飲食店を持ちたいという夢も抱いているそうです。そんな菊池さんの週末起業を始めたきっかけから教えていただきました!

  • 菊池展宏さん
  • 週末起業開業:2006年
  • 初期投資:0円
  • おやじピアニスト
週末起業を始めたきっかけを教えてください。
週末起業をスタートした理由は2つあります。ひとつは、ロバート・キヨサキ著の『金持ち父さん、貧乏父さん』を読んで、サラリーマンとして一生を終えるよりも、一旗挙げたいという想いがとても強くなったということです。

もうひとつは、妻の実家が自営業を営んでおり、独立への心理的なハードルがあまり高くなかったということがあると思います。この2つが最も大きな週末起業を始めたきっかけになっています。

最初はどんな形で週末起業をスタートさせたのですか?
定期的に週末起業に取り組み出したのは2006年ぐらいからです。それ以前にも1995年あたりから不定期でピアノを使って週末起業を行っていました。しかし、どうしても本腰を入れて週末起業をする気にはなれなかったのです。理由は、確固たる目標がなかったので、週末起業を継続することができなかったのかなと思いました。しかし、2006年に『金持ち父さん、貧乏父さん』を読んで、このままではいけないと思い、定期的に週末起業を続けるようになったのです。

ビジネスの内容は、結婚式でのバック演奏などですね。1回あたり、2~3万円をいただいて活動していました。結婚する方に話を聞いて、当日どんな感じで曲を演奏すればよいのかということを念入りに打ち合わせし、演奏していました。たとえば、Aという曲はとても早く演奏する必要があるが、Bという曲は、とてもスローでゆっくりと演奏して欲しいなどの要望を聞いて、こちらからも提案したりします。実際に結婚する方に会って話を聞いて、曲のアレンジをしたりするのが、とても楽しいですね。最初の顧客は主に会社の人で、それから徐々に口コミで結婚式のバック演奏の仕事は増えていきましたね。

本業との両立はどうされているのですか?
結婚式のバック演奏は、基本的に週末しかやらないので、本業と重なる部分はありません。しかし、それはあくまでも副次的な活動で、メインの活動はサラリーマン仲間のジャズバンドのほうです。月1回ライブを開催して、ジャズの魅力をいろんな人に知ってもらおうとほとんどボランティアで活動していました。しかし、他のバンドのメンバーの本業の都合などで、なかなか月1回のライブ活動もできなくなって、15年間続いてきた活動を一時、休止せざるを得なくなってしまいました。

ジャズピアノを週末起業に選んだのは、どういう理由があるのですか?
まず、なぜジャズピアノかということから、紹介します。私がピアノをやり始めたのが小学校の2年生で、中学生ぐらいまでずっとクラシックのピアノを演奏していました。その反動で中学生の終わりぐらいはヘビメタに傾倒していたりしたんですが、高校時代に楽器のみの音楽のインスツルメンタルのYMOやT-スクエア、カシオペアなどを聞いて、ピアノもかっこいいなと思うようになったのです(笑)。

よくよく調べてみると彼らもジャズの基本を取っていたらしくて、大学に入ってからジャズピアノをやるようになったんです。そして社会人になってからは、ジャズバンドを組んで月1回のライブ活動を行うようになりました。ちょうど私の同僚が日大のジャズ研だったので、友人にベーシストやドラムなんかがおり、すぐにバンド結成の運びになったというわけです。このサラリーマンジャズバンドをやりながら、自分の好きなピアノも仕事にできたらと思ったのが理由ですね。

最近は飲食店経営も目指されていると聞きました
はい。高樹公一さんが代表になっている週末飲食オーナー倶楽部のオーナー養成講座などに出席して、将来は飲食店経営を目指しています。なぜ飲食店経営を目指すのかというと、自分たちの夢を追求できる発表の場所を持ちたいからです。それまで15年間、都内にあるジャズバーが私たちの発表の場になっていたのですが、諸事情でそのバーで演奏することができなくなってしまったのです。

15年間やってみてつくづく身に染みたのは、場所を持っている人がジャズの演奏に関するすべてのイニシアチブを持っているということでした。所有者がダメといえばそれですべてが終わり。私たちはより多くの人にジャズの魅力をもっと知ってもらいたいと思ってもなかなか実践できないことに悩みを抱いていました。

そうした悩みが結実して、飲食店開業へ向けての活動がスタートしたんですね
はい。日本でジャズというと、何か身構えて聞かなければならないというイメージがありますが、ジャズの本場アメリカでは、もっと気軽なのです。たとえば、街角のジャズバーでは、世界的に有名なピアニストやベーシストの演奏を気軽に聞くこともできますし、庶民が楽しむ娯楽のひとつになっています。

たとえば、今から11年前、新婚旅行でニューヨークを訪れたとき、超有名なベーシストである、レイ・ブラウンの演奏を聞くことができました。そのとき支払った金額は、日本円にして2000円程度。しかも、カウンターでもステージでもどっちでも見られてとてもお得でした。ところが日本で同じものを見ることになれば、5~10倍のお金を払わなければ難しいと思います。

日本のジャズバーはチャージ料も高いし、ある程度お金を持った社会人でないとジャズを楽しむ余裕すらありません。その一方で、私たちのようなアマチュアバンドは発表の場すら与えてもらえない。需要と供給がまったくマッチしていないというのが日本のジャズの現状だと思います。そういうのを打破したいと思って、自分のお店を持つことで、ジャズをもっと身近なものにしたいというのが今のところの夢になっています。

今後の展開を教えてください
現在、ジャズをもっと身近に感じて欲しいと考えて、年に2回、子ども向けにジャズライブを行っています。次回の開催は2010年11月21日で北千住駅にある丸井の屋上で開催する予定です。入場料は1000円でディズニーの曲やサンバやボサノバなど子どもも大人も楽しめる曲を行う予定です。こうした活動を通じて、ジャズの魅力をもっとみんなに知ってもらいたいと思っています。もうひとつは、飲食店経営のほうを本格的に実現させて、私たちの発表の場所を増やしていきたいと思っています。