• Home
  • 週末起業を知る
  • > 協同労働協会OICHI-中川一さん、坂佐井雅一さん、中野衛さん

協同労働協会OICHI-中川一さん、坂佐井雅一さん、中野衛さん

協同労働協会OICHI-中川一さん、坂佐井雅一さん、中野衛さん

週末起業フォーラムで出会った3人でチームを作る

互いに協力し合って週末起業の壁を突破する。
週末起業家は孤独になりがちとよく言われます。なぜならば、普通の起業家と異なり、1日の最も多く過ごす会社において自分の週末起業の悩みや情報の共有などを図ることができないからです。孤独に陥りがちな週末起業家を救うべく、週末起業フォーラムでは、さまざまな定例イベントや交流会を催しています。多くの週末起業家は、そうした集まりでお互いに励まし合ったり、情報交換を行ったりするだけにとどまっています。しかし、今回紹介する週末起業家たちは、ちょっと違います。週末起業でありながら、彼らはお互いに協力して起業のリスクを分散し、会社のような活動をしています。彼らの起業名は「OICHI」2008年11月に開催された「週末起業フォーラム」の交流会で知り合った坂佐井雅一さん、中川一さん、中野衛さんの3人でスタートしたものです。今回は、メンバーの一人である中川一さんにお伺いしました。早速、彼らの起業の経緯からお伺いしましょう。
週末起業家成功事例

  • 中川一さん、坂佐井雅一さん、中野衛さん
  • 週末起業開業:2008年11月
  • 月商:20万円
  • 初期投資:0万円
  • OICHI
  • http://oichi.org/
週末起業を3名で始めたきっかけを教えてください
最初に週末起業フォーラムで毎月主催している定例交流会の会場で、私(中川)と坂佐井の2人で何かやろうと思ったのがそもそものきっかけなんです。その後、中野とは新入会員歓迎会で知り合いました。3人とも家族を持っており、なかなか1人では活動できない。しかし、楽しく仕事をしたいという思いは共通していました。ご存じのとおり、週末起業家というのは、話す人が見つからずに、とても孤独になりがちな存在です。1人ではなかなか勇気がでないことも2人ならやってみようという気になってくる。さらに3人では具体的に実行してみようという気持ちが湧いてくる、そんな感じで3人で週末起業をやってみようということで始まったのが「OICHI」という週末起業家のグループなんです。お互いの得意分野を活かして、それぞれの欠点を補いながら、ビジネスを行っています。

具体的に行っているビジネスを教えてください
大きく分けて3つあります。第1にオーディオブックの企画・制作。iTunes Storeでの販売。第2にブログ専門ポータルサイト「週末起業アドベンチャー」の運営。第3に自分たちと同じように仲間との協業による起業を促す勉強会の開催です。この3つの柱で事業を展開しています。

そのビジネスのアイデアは誰が出したんですか?
3人それぞれができる得意分野を出し合った結果、生まれたビジネスです。週末起業のネタ出しワークショップなどで活用されているツールのなかに、フォーカストライアングルというツールがあるんです。

自分のビジネスのネタを出すためのツールなのですが、これを3人でやってみたというわけです。一人だけであれば、ネタが出てきても、そのネタを実行するだけの勇気が出ないことから、自分の出したネタに懐疑的になって、なかなか一歩を踏み出すことができないことが多いのです。しかし、3人のネタが集まれば、立派な事業内容ができあがる。フォーカストライアングルを使えば、必ずお互いに自分の才能にはないネタが出てくるはずなので、お互いがお互いのネタを尊敬し、応援し合う関係を築くことができるのです。モチベーションが具体的に実行できるレベルまで上がって、行動につながっていくことができるのです。

もちろん、これまでにも会合を持ち、日々の週末起業の活動を報告する週末起業有志の会というものは、存在しました。しかし、週末起業のモチベーションは熱しやすく、冷めやすいもの。やはり会合が終わるとともにモチベーションは徐々に下がっていき、結果的に行動できなくなるという悪循環に陥ってしまうのです。しかし、私たちのようにお互いの能力を生かした事業活動が、皆の利益につながるという会社のような形態になると、モチベーションを維持しつつビジネスを継続することができるのです。

3人で行ったフォーカストライアングルでは、具体的に何がネタとして出て来たんですか?
私は音声配信の技術面でサポートできる。坂佐井は歴史の知識に詳しい、中野は司会ができるというのが出てきた。ここからオーディオブックを作って何か発信するビジネスを行うことはできないかということが出てきました。私一人だけだと、オーディオブックの制作や編集みたいな仕事の代行業で終わってしまうのですが、坂佐井がいることで、オーディオブックのオリジナルコンテンツを考えることができますし、中野がいることでオーディオを活用した勉強会やセミナーを提供することができます。3人いると単なる代行業で終わらないのが魅力だと思います。私の仕事の営業も彼らが勝手に行ってくれるので非常にラクですね。

週末起業アドベンチャーの勉強会について教えてください。
不定期ですが、ほぼ毎月1回都内の喫茶店の会議室を借りて開催しています。主に週末起業家をターゲットとしており、私たちが活用したフォーカストライアングルのツールを使って、起業ネタを自分で探したり、その場でマッチングをすることによって新しい起業のアイデアを考えたりしています。自分が本当にやりたいことを探すための会なので、盛り上がりますし、ストレスを解消され、癒される方も多くいらっしゃいます。NHKやJ-WAVEなどでも活動が取材され、認知度が徐々に広がってきています。

週末起業の時間はどうやってねん出しているのですか?
私の場合ですと、通勤に1時間半かかるので、その時間を利用して電車の中でノートパソコンを活用して音声編集の時間にあてています。坂佐井や中野は、朝早く起きてポータルサイトの更新をしたり、勉強会のテキストを作成したりしています。

週末起業の収益はどのくらいあるのですか?
月商10~20万円です。オーディオブックの制作代行やiTunesで販売しているオーディオブック「お市の生涯」の収益が中心です。織田信長の妹で過酷な人生を送ったお市の生涯を朗読した「お市の生涯」は7月から発売しているのですが人気が非常に高く好評を博しています。

今後の展開を教えてください
今後は、企業へ「音声研修」を提案したいです。オーディオブックの活用で新入社員などの研修費削減を狙っている企業にアピールしたいです。もうひとつは、旅行会社への提案。旅行先などで気をつけなければいけないこと、準備、行った先の情報などを旅行者へ配信したいと思っています。また、週末起業家同士のマッチング支援を積極的に行いたいです。

週末起業家に対するアドバイスをお願いします
まず、「行動」と「やってみる」の精神が大事だと思います。1人だと難しいところや足りないところがあるので、皆でやってみるというのがいいと思います。

まずは、週末起業フォーラムの定例交流会に出てみたり、私たちの主催する週末起業アドベンチャーに出席してみて、価値観が共有できる仲間を作ることが、週末起業成功への第1歩だと私は思っています。

「コロンブス」2011年1月号掲載記事

週末起業家成功事例