エスイープラン(キャリアカウンセラー)-江田暁さん

エスイープラン(キャリアカウンセラー)-江田暁さん

「キャリアカウンセリング」で就職支援

20年以上の人事の仕事経験から、個人の特性・価値観を生かした「カウセリング」で就職支援
本業で長年人事の業務で新卒・中途の採用面接に携わってきた江田暁さん。週末起業で「キャリアカウンセリング」をはじめたのはどのような経緯があったのか?まずは週末起業を始めた経緯からお伺いしました。
週末起業家成功事例

  • 江田暁さん
  • キャリアカウンセラー
  • 週末起業開業:2008年5月
  • 年商:約100万円
  • 初期投資:28万円
  • http://seplan.jp/
まず週末起業を始めたきっかけを教えてください
現在、本業で宝飾卸メーカーの総務担当として仕事をしていますが、45歳を過ぎた頃から、果たして自分は今の会社でこのまま同じ仕事を続けていくのか?という疑問を抱くようになったのがそもそものきっかけです。そして自分で何ができるのかを考えた訳です。

これまで20年以上の人事関係の仕事に携わる中で新卒・キャリアの採用面接を約3000人行ってきましたが、その中でも特にこれといった夢や目標などを持っていない方がかなり多いと感じました。特に建材、素材関連企業で新卒採用に携わったおり、「自分がどういった仕事をしたいのか」「自分が何に向いているのか」がよく分からず、鮮明な仕事観・職業観をもっていない若者を多く見ているうちに、次第にかわいそうだと思うようになっていきました。

また、大手派遣会社などのエージェントが彼らのビジネス上の成約率を重視するあまり、個人の希望や特性、価値観、やりたいことなどを最終的に無視する様子なども多く目にしました。そこで、個々人の価値観を重要視したカウンセリングを行い、彼らの就職を支援していきたいと思い、キャリアカウンセラーの資格取得を目指すことにしました。

どのようにして週末起業をはじめたのですか?
2006年に資格取得を決意し、2007年9月に受講を開始し2008年4月の2次試験に合格、同5月に登録をいたしました。既にCDAの1次試験(筆記)が合格した段階で早速ホームページの制作に取り掛かりました。先輩ホルダーの皆さんや同じカウンセリングを行っている企業様のページを参考にさせていただき、土日の時間のあるときにはほとんどその作成をしていました。と同時に、自分の意識付けのためもあり、名刺を自作し、仕事上に差し障りのない範囲内で、お会いした人に渡し、その目的や考えなどを伝えるようにしていました。

併せて、ブログとメルマガを開始しました。ブログは主にキャリアに関することで、実際に行ったカウンセリングの内容や最近の学生さんの実情などキャリアに関するものです。また、メルマガでは自分の実体験に基づいた人事部内での出来事、例えば上司になったら色々悩みますよ、という話やこういうふうに部下と接したらいいのではないか、というようなことなどコミュニケーション形成、人間関係づくりに関しても触れています。そしてこういうブログ、メルマガを通じてホームページへのアクセスアップにつなげていきたいと思っています。(この時点でコンサルタントへの無料メール相談を2回利用させていただきました。)

また、時期を同じくして、実績づくりと考え、無料で知人の転職相談に乗ったりしました。これまでに3名の方に対し、キャリアカウンセリングを行いましたが、そのうちの1人はもともとはフリーターでしたが、現在は社労士の資格を取り、事務所で勤務しています。キャリアカウンセリングの料金は、対面で7000円(1回1時間)。メール相談は1往復2000~3000円、後は3往復、5往復と段階的に設定しています。ちなみに、CDAの資格は日本マンパワーのキャリアカウンセリング講座で取得費用が28万円。通信3ヶ月、通学8日間で取得しました。(因みに1次合格率52.1%、2次合格率47%)

一週間のスケジュールはどのようになっているのですか?
キャリアカウンセラーとして本格的にスタートしたのは2008年5月からです。月~金の間でカウンセリングの予定が入った日は、定時に退社し、19時頃からカウンセリングを行っています。通常1クールのカウンセリングで6回(自己認識から意思決定まで)行いますので、4万2000円位の収入です。

個人カウンセリングは大きく分けて2つのプログラムに分かれます。何をやりたいのか、将来への希望などをさまざまな理論を活用して掘り起こしていきます。もうひとつは、就職活動支援のプログラム。面接書類の書き方、面接の受け方、挨拶状の出し方など採用に関するサービスを一手に引き受けます。大手エージェントとは異なり、本人の価値観、希望を極力尊重した上で行うプログラムなので、非常に好評を得ています。

週末は、セミナーなどの予定がないときは、ブログ、メルマガのネタ作りとホームページのアレンジなどをしています。

週末起業に当てる時間はどのようにやりくりしているのですか?
往復の通勤時間(約2時間)が貴重な時間です。読書をしたり、ブログ、メルマガのネタを考えたりしています。会社での昼休みは、幸い社屋の一部でひとりで過ごせますので、食事をしながら企画の構想を練ったりしています。取材対応の文書なども昼休みに書くことができます。

売上を上げるためにどんな工夫をしていますか?
現時点では、キャリアカウンセリングの周知性を高め、その必要性・重要性を認知してもらう為に、ホームページへのアクセスをいかに増やしていくか?について考えています。まずは、自分の周りの知人等に無料でカウンセリングを行い、実績を増やしていくことをメインにしています。ただし、外部からの依頼があった場合には料金を発生させていく予定です。そして、こうした実績をページ内に「クライアントの声」として掲示することで徐々に客観的な信頼性を高めていきたいと考えています。

顧客の獲得は、基本的には口コミによって依頼が増えていくのを理想と考えています。そのための簡単なツールなども作成しています。また、講座を受けた日本マンパワーから講座の運営スタッフとしてお手伝いすることもあり、1日1万円程の業務委託料をいただいています。自分が受けた教育機関からの収入も意外とバカにならないですね。

今後の展開について教えてください
まずは、自分が行っているカウンセリングを周知し、実績を増やしていくことで信頼性を高めていくことが先決です。地元で会場を借りて無料カウンセリングを企画していますが、これを徐々に有料の実績へと結びつけていきたいと考えています。カウンセリングはメンタル的な要素も強いので、今後は最近話題のメンタルヘルスへの取り組みや、コミュニケーション(人間関係作り)に関する少人数セミナーの開催、企業へのコミュニケーション作りワークショップ(仮称)推進の働きかけなどを現状では考えています。

また、法人契約をして、社員のメンタルな部分を見て、せっかく採用した人材が安易に流失していかないようひとつの援助として取り組んでいくことも視野に入れています。現状では、個人カウンセリング業務が主体となっており、時間の切り売りになりがちですので、情報商材への展開やキャリアカウンセリング同士の連携などを考え、ビジネスを展開していきたいと思っています。

「コロンブス」2009年10月号掲載記事

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