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有限会社ブランドファクトリー(営業戦略コンサルタント)-立石剛さん

有限会社ブランドファクトリー(営業戦略コンサルタント)-立石剛さん

自分ブランドの確立で大きく飛躍!

自分をブランド化することは、自分の得意分野で起業し、オンリーワン市場で売り上げを拡大していこうとする週末起業家にとって大切なことです。しかし、一体どうしたら自分ブランドを確立することができるのか、わからない人も多いと思います。以前、大阪の週末起業家セミナーでの自分ブランドセミナーを担当し、また、週末起業フォーラム会員でもある自分ブランド・プロデューサー立石剛さんにその秘訣をお伺いしました。
週末起業家成功事例

  • 立石剛さん
  • 自分ブランド・プロデューサー
  • 有限会社ブランドファクトリー代表取締役
  • http://brandfactory.jp/

自分ブランドって週末起業家にとっては非常にファクターだと思います。
私が自分ブランドに気がついたのが29歳の頃。国内損害保険会社でトップ5だった私はちょっと天狗になっていたようです。その後、外資系損保に転職するのですが、転職2年目にしてまったく売れなくなってしまいました。そこから出口の見えない長いトンネルに入るのです。

あるとき新人の営業マンで年収1億円に到達するスゴ腕営業マンがいたときにふと思いました。「販売している商品も販促物も会社から与えられて差がないのに、なぜ営業マン同士で差がつくのだろうか?」と。そこで成績のよい営業マンが何をやっているかということを研究したのが自分ブランドを考えるきっかけになりました。

よくよく観察してみると、彼らはたくさんの顧客のなかから自分の能力が100%発揮できる顧客を選別してピンポイントに営業をかけていたわけです。一方、成績の悪い営業マンは数字を取るために何でも屋に甘んじていました。そういう人は、お客さんに振り回されて、就業時間が多いのにもかかわらず、営業成績に伸び悩んでいました。成績がいい営業マンと自分との違いは一体何だろうと考えた時に出てきた答えが自分ブランドの構築だったわけです

自分ブランドを構築するために、一番最初は何から手をつけたのでしょうか?
自分が受け持っている300人の顧客データを徹底的に洗い出すことから始めたのです。顧客データから自分に関する法則性を導き出せる共通項目は何かないか調べてみたわけです。すると、ひとつの答えが導き出されました。その答えというのが、営業先でした。当時、私の売上の約70%は法人でした。残りの約30%が個人のお客さんでした。

私は起業家が起業するときのお手伝いをしたり、経営者が経営上の問題で悩んでいるときに助けたりするときが一番自分が輝いているということを知ったのです。そこで、保険の営業をかけるときに、起業家や経営者が好む有益な情報や税務上の相談などを積極的に受けることで営業成績が伸びるのではないかと考えたわけです。結果は予想通りで年収3000万円が達成できました。

営業成績がトップとなったとほぼ同時に会社を辞められました。
そうですね。自分ブランドを確立する過程で、自分が本当にやりたいことが逆に明確になってしまったのです(笑)。私は2002年から「プロジェクトR21」という自分らしいビジネススタイルの実現を目指す起業家・ビジネスパーソンの為の勉強会・交流会を主宰していました。週末起業という選択肢もありました。しかし、会社のブランドで仕事をすれば、それは、必ずしも自分の能力を最大限発揮できる状況とは言えない。自分の能力を最大限発揮できる状況を、自ら作ること。それが、起業する意味なんじゃないかと思ったわけです。こうして私は、自らの力で自分の人生を切り拓こうと決意しました。

自分ブランドを導入すると何が変わるんですか?
私が保険会社の営業マンだった頃に目に見えて変わってきた変化というのは、大きく分けて5つあります。

第1に、お客さんとの信頼関係ができ、商品の説明が省けること。「この人は○○の専門家だから、この人に任せておけば安心」という状態になるのです。
第2に人柄をわかってもらえ、コミュニケーションのズレがなくなるということです。これは第1の変化に付随するものでもありますが、自分ブランドが確立されていれば、顧客とのコミュニケーションのズレも少なく、スムーズにビジネスが展開するのです。
第3には、得意分野だから感動も与えられるし、リピート客も増えます。
第4 には、オンリーワンのブランド化のおかげで値切られなくなるという効果も期待できます。
さらに第5には、売上は倍増しているのに、労働時間は減るということが期待できるのです。いいことずくめですね。

週末起業家の成長モデルでは、月商5万円、10万円、50万円の壁というものがあり、週末起業家の2人に1人はこの月商5万円の壁が突破できないというデータもあります。自分ブランドについて考えるということは、こうした問題を解決できる一助にもなるわけですね?
そうです。もちろん、週末起業をはじめて間もないときに、顧客リストを見たところでここから得られるデータは非常に少ないと思いますし、逆に自分の可能性を限定してしまうこともあります。少なくとも1年から1年半ぐらいブログやメールマガジン、ホームページを継続して行ってより多くのデータを採取することが必要です。そして、そこからどういう人(顧客)が訪れているのか調べてみれば、自分ブランド構築のための興味深いデータが得られるはずだと思います。

私のなかでは自分ブランドは、次の3つの要素で確立されるものだと考えています。
① 好きなことをやる
② こだわりを持つ
③ それが人に伝わっている

私の場合、①は「人との出会い」でした。人が喜ぶ顔を見るのが自分自身にとっての無常の喜びであることが気がつきました。②は「起業家のためのお手伝い」でした。自分でリスクを取って成功を目指す起業家に喜んでもらうことが生きがい。事業ノウハウやマネーアドバイスなどを行うようになりました。③は「起業家を目指している人や起業家と一緒に勉強ができる場所『プロジェクトR21』でした。

プロジェクトR21を行ったきっかけを教えてください
もともとは、保険の営業の見込み客開拓のひとつの方法として2002年にスタートしたお金の勉強会だったのです。一番最初のメンバーは同業のファイナンシャルプランナーとか知り合いの税理士さんとかが中心で最初はメンバーも6人でした。しかし、一緒に学んで成長したいという思いが次第に強くなって、単なるお金のことを勉強する勉強会ではなく、本田健さんの本に書いてあるようなお金を稼いで幸せになろうということを勉強会で取り扱ったりしていました。自分は自己実現欲求がもの凄く強く、そうした思いを抱いている人を応援していきたいと思っていたので、プロジェクトR21の運営は本当に楽しかったですね。

軌道に乗り始めたのは、会をスタートさせてちょうど3年目ぐらいから。紹介や口コミで参加者がどんどん増えて、今年で参加者はのべ3000名を突破しました。講演会の1回の収入も140人参加で約50万円の収益を上げることができるようになりました。こうした活動も自分が好きなことだから続けられたのだと思っています。価値観が一緒の人と成長していきたいと願った結果がプロジェクトR21という形で結実しました。

保険の営業をしながら、勉強会の運営は大変そうです
大変ではありませんでした。自分の好きなこと、趣味なのでやっていても苦になりませんでした。時間の捻出方法は最初に1年間分のスケジュールを抑えてしまうわけです。何が何でもやるという状況を最初に作っておけばやらざるを得なくなります。もちろん、そんなことをしなくても自分の好きなことですから、自然にできてしまうんですですが。

プロジェクトR21とは起業家の為の勉強会、交流会です。そこで、私は主催者という立場から、成功できる人、できない人という両極を、5年間にわたり俯瞰してみることができました。これは私にとって大きな経験でした。そして、実績も信用もない起業家が成功するため欠かせないことをわかりやすく一言で言い表すならばと考えたとき、「自分ブランド」というキーワードが出来てきたのです。この経験をもとに作ったセミナーが、「起業家2,000人との出会いから学んだ自分ブランドの作り方」です。

プロジェクトR21とは、私に「自分ブランド」の大切さを気づかせてくれた場所であったわけです。また、勉強会が乱立しているなかで、自分ブランドが学べるのは、プロジェクトR21だけ。まさに会自体を自分ブランド化し、差別化したということです。

最後に週末起業家に対して一言お願いします。
自分ブランドとは、一言でいうと自分と顧客の「約束」です。約束された状態というのは、自分の提供するサービスや商品の違いや価値がきちんと相手に伝わっているかどうかがポイントです。そうした状態に到達するには、私のように顧客リストから調べる方法もあるし、自分の本当に好きなこと、得意な分野を突き詰める方法もあります。大企業との価格競争に巻き込まれないためにも、また、売上を拡大していくためにも、週末起業家が自分ブランドを確立することは必要だと思っています。