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:≫ コラム「週末起業入門」
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●なぜ、地図を持たずに船を出すのか
成功しない経営者はどうでしょうか?残念ながらシナリオを持って
いません。それどころか、シナリオなど考えたこともないという経
営者すらいます。冒頭、私もみなさんの創業を船出にたとえました
が、経営はよく航海にたとえられます。
航海とは、目的地を目指して、時には荒れ狂う海にこぎ出し、つき
進むことです。海にはさまざまな危険が潜んでいます。地形や天候
次第では、座礁したり、運が悪ければ沈没してしまいます。海賊に
襲われるなどという危険にも遭遇するでしょう。
このように、様々な危険が潜む海にこぎ出す際に絶対に必要なのは、
目的地までを描いた地図ですよね?経営も成功という目的地に向か
って、様々な苦境や困難をうまく回避しながら、突き進んでいく航
海と考えれば、ぜったいに地図が必要になるのです。
経営という航海では、経営者である皆さんは、さながら船長と言う
ことになるでしょう。しかし経営という航海の現状をみると、地図
も、シナリオも持たずに会社という船の舵取りをしている船長がほ
とんどというのが実態です。これでは座礁したり、大波に襲われた
りするのは当たり前です。
だから多くの起業家が苦労して出航しても、失敗をおそれて、遊覧
船のように湾を徘徊することに終始するのです。仮に無理をして外
洋にこぎ出せば、あっという間に沈んでしまうことでしょう。
では、なぜ多くの経営者が、これほど重要な地図を持たずに出航す
るのでしょうか?私は、その最大の理由は、経営者の多くが創業の
段階で、そもそも自分の目的地、すなわち、わが社の成功のイメー
ジ、あるべき姿を明確にできていないことにあるからだと思います。
目的地が明確でなければ、どんなに立派な船を手にしても、乗組員
に恵まれても、地図を書くことはできませんよね。同じように、経
営者が会社の成功した姿をイメージできていなければ、そこに至る
道筋も描きようがないのです。目的地が明確でないことが、地図を
もたない経営者を生み出す元凶なのだと思います。
先日、ある本を読み、大変参考になりました。それはプレジデント
社という出版社から刊行されている「プロフェッショナルマネジャ
ー」という本です。この本は、米国の国際電話電信会社、ITTと
いう会社の元経営者、ハロルド・ジェーニンという人の自叙伝です。
ご存じでしょうか?彼は日本ではあまり知られていませんが、アメ
リカでは伝説の経営者です。なぜなら、彼は異業種企業をM&Aに
よって統合し、14年間連続増益という驚くべき数字を打ち立てたか
らです。この記録は、アメリカの経営史上今も破られていません。
ユニクロのCEO柳井正氏は、ジェーニンの経営に衝撃を受け、今
も彼を経営の師と仰いでいます。これから経営者になる皆さんにも、
ぜひ一読をお勧めします。
ところで、このジェーニンが唱えたのが、「3行の経営理論」です。
これは「本を読むときは、はじめから終わりに向かって読む。ビジ
ネスは逆だ」というものです。意味がおわかりでしょうか?わかり
やす言えば「ビジネスというのは、スタートから考え始めるのでな
く、まずゴールを設定して、次にそこにたどり着くための方法を考
えるべきだ」という意味です。ゴールがはっきりするからこそ、ゴ
ールにたどりつく手段が明確にできるということなのです。
皆さんがシナリオを作る際にも同じことが言えます。シナリオを作
るなら、まず自分のビジネスが目指す、わが社のあるべき姿、成功
のイメージを明確にすることが、絶対に必要なのです。
(次週につづく)
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