週末起業コラム

家の片付けのコツは家族の○○観を知ること?
高原真由美氏(たかはら まゆみ)氏(その2)

「起業家登場!」現役起業家への突撃インタビュー


起業家として活躍する先輩達へインタビューを敢行!
彼(女)らのロールモデルから学びを深めてください。(〇聞き手 ●起業家)

前回のあらまし


ライフオーガナイザーとは思考と空間の整理のプロのこと。お客様の生活空間の片づけを手伝いながら人生を整えていくお手伝いをする人です。アメリカで約30年前に誕生し、広く認知されている仕事です。

日本では家にいる時間が長い主婦の利用者が多く、なかでも子育てをきっかけにものが増えたことなどで困っている30~40代の女性から人気です。

高原さんはライフオーガナイザーの日本における職業としての確立を目指して普及活動を行っていらっしゃいます。


高原真由美氏(たかはら まゆみ)氏(その2) 一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会代表理事


■ライフオーガナイズに注目したきっかけ

○高原さんとライフオーガナイザーとの出会いについて、教えてください。

●2つあります。ひとつは、仕事です。私は新卒時から17年間、ある百貨店に勤めていました。富裕層向けのインテリア専門の外商として、自分の暮らしとは別世界のようなお宅のインテリアをコーディネイトできてすごく楽しかったですし、やりがいもありました。

けれどもせっかく高額の予算をかけてコーディネイトさせていただいても、3年後、5年後にそのお宅に行くと、床とかテーブルがものでいっぱいになって、部屋がぐちゃぐちゃになってしまっているのです。

コーディネイトした当時は本当にモデルルームみたいな家だったのにもかかわらずです。

そうすると、とても残念な気持ちになるんですけど、私の仕事はものを売ることであって、買ってもらわないと売上にならないんです。

自分の仕事と気持ちの間に矛盾を抱えていたというのが、ライフオーガナイザーを目指すきっかけになっていますね。

○なるほど。

●もう一つは、自分自身が仕事や子育てで忙しくて、仕事とは裏腹に家の中がぐちゃぐちゃで、なんで自分の家のコーディネイトはできないんだろうとずっとコンプレックスだったことです。

そこで、片づけの本を読んだり、整理収納の資格の勉強をしたりしました。でも、理屈はわかるけどやっぱり片づけられない。そんなときにアメリカのオーガナイザーの仕事を知ったんですね。



■ライフオーガナイザーと家事代行は全く別物!

●みなさん混同されるんですけど、いわゆる家事代行とかハウスクリーニングというものと、オーガナイズは全く別物なんです。

家事や掃除は習った技術をそのまま再現して片づけることですが、ライフオーガナイズというのはその人がどういう価値観で、何を大事に思うかを理解することから始めて、その人の人生においてそれが要るか要らないのかで仕分けをしていくものです。

とくに家をライフオーガナイズで片づける時には、自分だけの価値観だけではダメで、家族みんなの価値観を尊重しなければなりません。

たとえば、無料のノベルティをもらってきた時、自分は要らないと思うけれど夫はとっておきたいって言う、なんていうことは頻繁にあるじゃないですか。

つまり子どもや夫との価値観をすり合わせて、そのお家の中でどうしていくのかを決めない限りは、ものの整理はできないと気づきました。

○なるほど。

●ですから、たとえば夫婦でこの場合はこういう片づけをするというルールを決めておいて、ものが増えた時点ですぐに片づけをしないと、あっという間に散らかってしまうことに初めて気づきました。

一人であれば、片づけは自分のルールだけで進めていけばいいのですが、一緒に暮らしている家族がいれば、そうはいかないですよね。

私も家族一人ひとりにとってどれが大事でどれが大事ではないのかがわからなかったから、いつも部屋の中が雑然としていました。

しかし、夫と子どもが、どんな価値観を持っていて、何を大事にしたいのか、どういう暮らしをしたいのかっていうことが理解できてから、完璧ではありませんが、部屋も片づいてストレスも無くなりました。

○そうだったんですか。そこから起業しようと考えたのですね。

●いえいえ。確かにその時には、このオーガナイザーという仕事はものすごく需要があると感じました。

しかし、百貨店の仕事が楽しかったのも本当で、愛社精神もありましたので、会社を辞めてまでこの事業を立ち上げたいという気はありませんでした。

ところが、プライベートに大きな転機がありました。

(次号へ続く)

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