週末起業コラム

週末起業家インタビュー~竹元紳一郎さん

誰でも夢や好きなこと、やりたいことを持っているはずです。しかし、安定している会社員をやりながら、夢を実現しようとするモチベーションを保つのはなかなか難しいものです。かといって、友人や家族に話しても、なかなかその夢を実現できるヒントは得られないかもしれません。

今回、ご紹介するのは、DreamBASE,inc.代表の竹元紳一郎さん。竹元さんは、夢に真正面から向き合う、起業家たちの居場所をつくりたいと週末起業をスタートしたそうです。夢を追っている起業家たちの居場所とは一体何か? まずは週末起業をスタートしたきっかけからお伺いします。

週末起業をスタートしたきっかけ

「会社員になってからずっと起業は目指していました」とは、竹元さん。現在は、独立起業されていますが、会社員時代は、システム開発プロジェクトリーダーを担当されており、仕事は激務だったといいます。「平日は深夜まで打ち合わせをして帰りは午前様。翌朝も早朝からミーティングで休日出勤は当たり前という状況でした」(竹元さん)。

竹元さんが実際に週末起業をスタートしたのは、2013年の年末。起業を志してからすでに13年の月日が経っていたそうですが、起業するまでに時間がかかっていたのは、なんとなく踏み出せずにいたこと。しかし、ある出来事をきっかけに、起業へ向けて大きく舵を切りました。その出来事とは、後輩から「何の為に仕事をしているのかわからない。好きなことをしたい」と相談されたこと。よくよく話を聞いてみると、その後輩はパン屋を開業したいとのこと。それに対して「パン屋の修行をするには、システムエンジニアの仕事は時間がないから難しい。もう少し、時間に余裕のある仕事に転職するのがいいのでは」とアドバイスしたそうです。そのアドバイスに触発されてか、その後輩は数カ月後に会社を辞めることになりました。

ところが1年後に、竹元さんが辞めた後輩にメールをしても、返信はありませんでした。そこで竹元さんは自分のアドバイスが後輩にとって本当に幸せな道を選ぶきっかけになったのかどうか、悩んでしまったそうです。

「今、彼の気持ちを改めて振り返ってみると、SEの仕事と真逆の象徴として“パン屋”をやりたいといっていたのではないかと思っています」(竹元さん)。

自分のやりたいこともよく分からないまま、会社を辞めることになってしまった後輩。会社を辞めれば収入はゼロ。生活基板が脅かされるだけでなく、新しい生活手段を見つけるのにも難しくなります。「結局、日々の生活に追われ、やりたいことが見つからずに夢を諦めてしまう。そうした人たちの中から、自殺という選択をする人もいるかもしれません」(竹元さん)。そこで、本当に自分のやりたいことを見つけられたり、相談できたりする“居場所”をつくることが大切だと気づき、DreamBASEをつくろうと行動をスタートしました。

半年後に起業を決め、週末起業をスタート

週末起業で最初に行ったことは、何をやるかまったく決まっていなかったのに、「何が何でも半年後に起業をすること」(竹元さん)だったといいます。

ところが、起業のために退職することを決めた1カ月間は、何もできなかったそうです。起業をするという大きな決断をした反動から、無気力の状態に。まさにニートのような状態だったそうです。しかしながら、そういう状態だったからこそ、いろいろな人に会い、起業のためのモチベーションを高めていたといいます。落ち込まずに続けられる環境づくりが大切だといいます。

そして、週末起業をスタートさせてから1カ月後の2014年1月の4日、5日。自己探求して、自分軸を発見するためのセミナーを開催しました。両日朝の10時から夕方の18時までぶっ通しで行うセミナーでしたが、2名の参加者が参加してくださり大成功を収めたそうです。

「起業のアドバイスをしてもらっている方に、セミナー開催の報告をしたところ、月に1度、朝活セミナーを開催することを勧められました」(竹元さん)。そこで朝7時からカフェで自分軸を発見する朝活セミナーを毎月1回開催。会社員や個人事業主の方などを中心に参加していただけるようになったといいます。今では朝活セミナーからのコーチング依頼も増えているといいます。

一方で苦労しているのが集客。今後は、より多くの人にセミナーに参加してもらうために、自身の活動をフェイスブックやツイッターだけでなく、様々なメディアで発信していく機会を増やしたいとのことでした。

流しそうめんをつくるキャンプを開催!

そして、2014年3月に起業し、DreamBASEの活動を本格的にスタートさせました。「自己探求を深めるプログラムとして、大好評だったのがキャンプ活動“ソーメンキャンプル”。皆でキャンプをしながら、ジェットコースターのような流しそうめんをつくる活動です」(竹元さん)。もちろん、ジェットコースターのようなコースをつくるのは、素人には難しい。しかし、不可能を可能にするために、皆で試行錯誤しながら考える過程が、起業家として重要だといいます。直近の予定では2014年10月に『でっかいピザを作ろう(直径1.5m?)』を開催するそうです。詳しくはDreamBASE (http://dreambase.jp)をご覧下さい。

「DreamBASEの活動を通じて、楽しさで組織依存から自立し、人生の主導権を取り戻す。そんな大人のための秘密基地をつくっていきたいですね」(竹元さん)。週末起業のよさについては、「本業の収入があるから、週末起業で仮に失敗したとしても生活が脅かされることはない。ビジネスは、どれだけ早く失敗できるかが重要なので、どんどん週末起業にチャレンジすべきだ」と締めくくりました。