週末起業コラム

ゼミナール体験記(半年で自宅ショップオープンしました)

半年で自宅ショップをオープン!

週末起業を始めたい!と思っても、人によって進み具合はまちまちです。「なぜあの人はあんなに早く進んでいるんだろう」と羨ましくなることも多いのではないでしょうか。

本日の週末起業ゼミナールは「半年で自宅ショップオープンしました」。講師は西方志津子さん。高校1年生の息子を持つ、46歳のシングルマザーです。英語関係の仕事を25年間やっていましたが、「50歳になった時に後悔したくない」と起業を思い立ち、2014年1月に週末起業セミナーを受講して、半年後に自宅の一角にショップをオープンしました。

なぜ半年で自宅ショップのオープンができたのか。その過程や手続き、心理状態などをお話ししてくださいました。起業準備がなかなか進まない方や、物販で起業したい方におすすめの内容でした。

人気の「ブライス」のコレクターとして週末起業

西方さんが扱う商材は「ブライス」という人形です。ブライスは、1972年にアメリカのケナー社で発売されました。目の色が4色に変わるギミックがあり、着せ替えして遊べます。日本でもトミー社から「アイアイちゃん」という名前で販売。しかし1年で販売が終了してしまいます。ブライスを撮影した写真集がきっかけで2000年にパルコのCMに登場し、2001年にレプリカの「ネオブライス」が日本から発売、現在はこれがアメリカに逆輸入されています。毎年販売されるアニバーサリードールの収集や、カスタム(唇を削ったり、ノコギリで開けて目の色を変えたりする)が流行っているそうです。西方さん自身は、2000年にCMでブライスを知り、2002年に収集を始めました。2007年にはカスタムをやり始め、2008年にウェブサイトを開設、2011年にはイベントを開催しています。コレクターとしての目利きを活かした起業だったようです。

起業を思い立ってからいろいろ探して週末起業フォーラムを知り、2014年1月に週末起業セミナーを受講した西方さん。その時の講師が主催するマインドマップセミナーも受講して「好き」をキーワードにマインドマップを描き、ドール関係が好きだと実感したそうです。

ブライスの販売には古物商の許可が必要なことを、昨年から知っていた西方さん。業者には頼まず、自分で申請したそうです。警察署で資料を入手して説明を受けた後、申請に必要な書類を地元の市役所や九段の法務局で手配。法務局が地元でないのは、成年被後見人や被保佐人などの登記がないことの証明をもらうためです。古物の13種類のうち「衣類」を選び、2013年12月の終わりに申請、2月に許可がおりました。かかった費用は、申請の際に1万9000円、店内掲示用プレートや台帳の用意に7000円だそうです。

西方さんからのアドバイスとして、申請書の「行商するか」の欄は「する」としておいた方が事業の幅が広がっていいとのこと。また、ネットショップの場合は、自分のドメインの登録者情報や公開連絡窓口情報(JPドメインのケース)、ネームサーバ等が表示されるWHOIS(ふーいず)検索の情報を印刷して持っていく必要がある、とのことでした。

週末起業大學を受講をして、ネタを絞り込む

3月に週末起業大學を受講した西方さん。起業ネタを英語にするかブライスにするか何度も迷い、講師の新井代表に何度も相談。「好きじゃないとつらい」という代表のアドバイスでブライスに決めたそうです。そして週末起業大學で自分の考えを何度も発表するうちに決意が強まっていったとのことです。この時一緒に受講した人たちとLINEのグループを作り、毎日コミュニケーションを取っているとのこと。オフ会や親睦会もあり、この仲間の存在がとても心強かったそうです。

4月は仕入れ先探し。最初はヤフーやイーベイで安い時を狙っていましたが、卸業者とつながることができ、代理店になる準備を始めたそうです。仕入れたブライスの置き場所が必要になり、実家の一部屋を倉庫に借りようと考えた西方さん。しかし実家のご両親はブライスに理解がありませんでした。そこで、ブライスの魅力とビジネスとしての有望さを伝え続けた結果、最終的に理解してもらっただけではなく、「株投資よりいいね」と資金援助までしてくれたそうです。

ショップオープン! いよいよビジネスへ

5月は代理店申請。ショップの写真2枚と、志を伝える文章が必要でした。ショップの写真はLINEグループの仲間にも意見をもらったそうです。審査は1か月ほどかかり、許可がおりたのは5月の終わり。この日はLINEグループのオフ会があり、その場で仲間に報告できたそうです。

6月からは、本格的に仕入れを始めました。卸業者に「ショップを見せてください」と言われることもあるため、ディスプレイも工夫したそうです。また、もともと持っていたウェブサイトへの告知や、Twitter、Instagram、Flickrなどを追加して準備を進めたそうです。一方で、海外から来た人を日本の代理店までガイドしたり、カスタムの教室を開いたりもしたとのことです。

7月にショップをオープン。この月は前の会社の送別会が多く、その中で本当に起業ができるのかと不安が募っていったそうです。しかし、手伝ってくれる人が見つかったり、仕入れと同時に自分が欲しいコレクションも集まったりしたそうです。

将来に向けてさらに前進する

今後は、販路を拡大していきたいと語る西方さん。集客できるウェブサイトの制作、ワークショップの拡大やイベントの企画(海外のファンと日本のファンを引き合わせるなど)、コンセプトドール(お店の象徴となるドールを玄関に置くサービス)といった構想があり、それらを仕組み化したいそうです。また、息子さんに週末起業大學を受講させたそうです。それをきっかけに、学生起業の支援を考えるようになったといいます。もちろん、25年間やってきた英語はこれからもやっていきたいそうです。

西方さんは今、「悩むより、できると思ってやれちゃう勇気が大事」と実感しているそう。退職の時は心配でしたが、街のお店や芸能人、政治家など、自営している人はいっぱいいることに気づき、また新井代表から「辞めた時しか、その道で生きる力が身につかない」とアドバイスをもらい、穏やかに過ごせているそうです。

「今日のお話で、皆さんが少しでも何か感じていただければ」という言葉で締めくくりました。